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古民家再生 大阪府堺市 番傘と玄関収納

古民家の再生をしていると、いくつもの珍しい品物に遭遇する。骨董品をはじめ古来の木製の農機具、養蚕の道具、いまとなっては用途の分からないもの・・・などなど。その家がこれまでどんな使われ方をしてきたのか、住まい手の生業は何だったのか・・・古き良き時代に心をはせる。

このお家からもいろいろなものが出てきたが、今回出てきたのは懐かしの番傘数本。こんな本格的なものは今や時代劇ぐらいでしか見かけない。往年のテレビドラマ「破れ傘刀舟悪人狩り」で刀舟先生が持っていたあの傘だ。

どれも、刀舟先生が持っていた傘とは違って、今からでも使えそうにしっかりとしていて、まるで未使用品のようにきれいな状態。一瞬にして時代をさかのぼれる品物に出会えるのは古民家再生の楽しみの一つ。

番傘が入っていた物置はこの度の改装工事で玄関収納に替わる。趣は全く変わってしまうが、相変わらず玄関脇でお出かけに必要な品物などを収納するスペースとなる。

床は無垢の唐松のエンコウ板張り、壁と天井の仕上げは断熱と調湿の性能が高い杉板張りである。土壁(荒壁)は蓄熱や調湿には圧倒的に優れるが、断熱の性能は高くない。そこで、この部分にも下地をして断熱材を充填し、この際に住まい全体の断熱性能を高める。