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のぞみ園生活介護施設 土工事Ⅱ
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基礎形状に準じて地面の形状が正確に形づくられ、砕石の締固めなどが終了すると、地盤にシロアリ対策の薬剤処理を施して防湿シートを敷き込みます。
基礎をベタ基礎(建物の下全体が鉄筋コンクリート製の基礎)にして、地盤からの湿気の影響を止めてしまうことには懐疑的な設計者や建て主の方々がおられますが、私は地面の湿気から建物を守るためにも、シロアリが建物直下に巣をすることを防ぐ意味からもこの基礎形状に賛成です。
下の写真は防湿シート裏にできた、地面の湿気による水滴です。これだけの湿気が常時基礎コンクリートや床下空間に影響を与えるのですから、地面からの湿気対策は必要に思っています。
防湿シートを貼り終えると捨てコンクリートを打設します。現場によってはこの工程を簡素化して工事費削減に役立てているところもあるようですが、お勧めできません。
捨てコンクリートは、基礎を通じて建物荷重をしっかりと地面に伝える役目と、基礎工事などの土工事の後の工事を精度を高め、工程をスムーズに進めるためにも必要なものです。コンクリートの上には墨出しといって、基礎形状が正確に描き出されます。この工程があるのと無いのでは建物そのものの精度にも影響が出ることでしょう。
建築工事の各過程は、一見無駄や省けるように見えることでも、みんなそれなりの意味を持ち、ちゃんとした建物の完成にそれなりの寄与をしています。
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