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古民家再生 大阪府堺市 2階工事
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再生工事前の2階には、丸太柱を斜めに支える、とても特徴的な方杖柱が残っていた。今回の工事に絡み、残念だがこの柱を通常の桧の角柱に差し替える。
2階は全体にそんなに高くない。一番高いのが方杖柱で支えていた部分。今後2階を個室に区切った場合に、ホール・廊下や出入り口に少しでも高さが取れるように、背に腹は代えられず方杖柱はあきらめていただいた。新しい柱は桧の120角。今後の間取りに合わせて素引き(背割り)の方向も整える。柱位置は要所に入る松の丸太に乗る位置。
床張りも終えた。床張り材料はすでに養生されていて見えないが、信州唐松の無垢の縁甲板。施工に際しては、床の丸太梁の上に造られた既存床の上で、個別に慎重にレベルを整えながらの大変な工事となった。
これから天井を張りにかかる。この部分もレベルが一様ではないため、工事は垂木1本1本の高さを確認しながらの難工事である。
垂木や竹の既存野地、瓦土などはまだしっかりとしているためそのまま再使用とする。現況の野地の下に断熱材を施工するため、既存の地板との間には少しの断熱材スペースを残して下地を付ける。
古民家再生は新築工事とは違い、部材一つ一つの調子を確認し、精度を確認しながらの手の込んだ工事である。その分設計者にも相応の技量が必要になるが、施工者・監理者にも特段の注意が必要になる。いつもに増して、現場打ち合わせはスムーズに工事を進めるために密に行う。
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