本文までスキップする

読みもの
Article

のぞみ園生活介護施設 地盤調査

設計段階から必要になるのは、建物を支える地面の力(地耐力)の数字です。地面が果たしてどれぐらいの建物荷重に耐えられるのか分からなければ、構造計算も進みません。地面が今回建物に耐えられないほど弱ければ、コンクリート杭などの地盤改良が必要になることもあるでしょう。更地になるまではハウスで野菜作りをしていたと聞きましたので、なおさら地盤面下の状況が心配です。

地面の上に建物の芯線を書いて建物配置を確定します。しっかりと位置確認をしておかないと、調査位置と現実に建つ位置が大きくずれると、再調査・・・ということにもなりかねません。

今回の地盤調査はスクリューウエイト貫入試験で行います。住宅程度の規模ですと、四隅と中央の5ヶ所の調査を行いますが、今回は規模が大きいので10ヶ所の調査です。

調査の結果、ほとんどのヶ所で50センチも掘ると硬質の砂質土に行き当たり、ガリガリと音を立てて機械が空回りをはじめます。畑を作っていた・・・という情報から当初推察したよりはるかに硬い地盤です。換算N値(地耐力をあらわす数字)も、木造平屋建てには充分な、鉄骨3階建てが建てられるくらいの数字を示しています。

ただし、場所により表層の30センチほどは自沈層と呼ばれる軟弱地盤も見つかりました。畑をしていた影響はこんなところに出ているのでしょう。場所を特定し、基礎工事(土工事)の時にはこの部分の土を砂利などの締まりの良いものに置き換えて地盤の表層改良をしようと思います。