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のぞみ園生活介護事業所 新築工事

昨年の秋に、木造で生活介護施設を造りたい・・・とお話をいただきました。唐突なお話だったので事情をお伺いしたところ、以前に当事務所で設計・監理をさせていただいた、田辺市の「たなかの杜」という施設がお気に入りで、建てるならあんなものを・・・と思っていてくれたのだそうです。

(たなかの杜 2008年竣工)

たなかの杜は正式名を「たなかの杜 フォレスクール」といい、田辺市芳養町に2008年に建てられました。通りからはずいぶん遠く奥まったところに建っているのでご存じの方は少ないと思います。「たなかの杜」と同じく福祉関係の施設運営をされている事業所の方ですからご存じだったのでしょう。

まずは・・・ということで、今回敷地を見せていただくことにしました。以前はハウスで野菜などを栽培されていた土地だそうで、構造物は撤去され、地目も変更されて、すでに敷地の半分ほどには砂利が敷き詰められて、施設関係者の駐車場として利用されていました。

1200㎡弱の敷地に350㎡ほどの木造平屋建ての施設の計画です。工程的には2024年秋の設計開始で、2025年夏着工、2026年春竣工・・・と非常にタイトなスケジュールですが、せっかく木造で、中村設計で・・・とご指名いただいたのですから、精いっぱいの取り組みをさせていただくこととなりました。

外観は「たなかの杜」に似て、天井の高い大空間を大きな切妻屋根で覆う構成です。木組みのグリッドを大切に柱・梁組した室内では、要所で桧の丸太柱から枝を広げた格好の方杖柱が天井を支えています。

室内仕上げ材には木・土・紙などの自然素材を採用し、断熱・気密の性能とともに、あまり顧みられることのない調湿・蓄熱の性能も大切にした、のびのびとして清々しい空気感の施設を造りたいと思います。

基本設計に約5ヶ月、実施設計に3ヶ月を要して設計が仕上がり、施工業者選定を済ませて、いよいよ9月から工事に着手します。お許しをいただいて工事の状況をお伝えできることになりましたので、今後進捗をお知らせします。お楽しみに・・・。