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すさみの家 外壁を張る

外壁が張り始められました。すさみの家の外壁には2種類のサイディングを採用しています。一つは写真のコンクリート打っ放し柄。こちらはこれで仕上がりで、上に塗装はかけません。

もう一つは素地にエンボス柄の有る無塗装のサイディングです。こちらは既存のALC版と同時に塗装し、一体感を持たせます。ですから目地もALC版に合わせて縦張りとしています。

1階は一部減築してピロティーとしたので、建物は少し軽快に見えるようになりましたが、塗装をかけないコンクリート柄のサイディングも採用することで、建物の表面仕上げに変化を付けて立体感を追加します。

ALC版面に通気層がないことから、新しく張ったサイディング面の通気層も、屋根面に一体化せずに壁面で完結するようにしています。

写真下の板金水切りとの間にあるのは給気口です。空気は温度変化によって動き、結果として諸々の機能を果たします。ですから、給気口と排気口には高さの違いが必要です。給気口は外壁の一番下に付けます。

排気口は一番高い軒裏天井面との取り合い部分に、既製品の通気見切で取っています。いつもは、通気層を通る外壁面の空気はそのまま屋根面に上げて、屋根の換気棟から排出します。こうすると給気と排気の高低差が最大に取れますので、これが一番効率が良いのですが、今回は壁と屋根の通気層がそれぞれ独立なので、棟換気は屋根面専用です。

いちから設計する新築とは違って、既存建物の改装などの場合には、あくまで既存部分があってそれを生かして・・・というのが基本になりますので、いろいろと臨機応変に対応しなければならないことが出てきます。