読みものArticle
古民家再生 大阪府堺市 床板張りと床下通気
- カテゴリ
床下地の新しくなったところから床板を張り始める。この時点ではもちろん、床下の断熱・気密の処置はしっかりと済ませている。床板として採用したのは信州唐松の無垢の縁甲板。施工を済ませると、すぐに養生してしまうので、張上がりをご覧いただけないのは残念である。
25年ほど前に、東京で開催された地産地消のシンポジュームに和歌山代表として参加して、紀州には杉と桧の植林山がたくさんあり、山と街の共存のために奮闘している・・・と発表した。その時に同じように信州代表として見えていた小林木材の専務が(今は社長だろうか)、信州では唐松がたくさん産出される、松は性分がきついので、使用先に苦慮している・・・と発表していた。席が隣同士で、その時以来のお付き合いで信州唐松を床板に採用することが多い。
新建材のフローリングは、一見きれいで・丈夫で・扱いが容易であるが、木材としての調湿性・断熱性などはほとんど持ち合わせていない。無垢の木は優秀な調湿性・断熱性を持ち合わせる。中でも杉・桧・松などの針葉樹は、ナラ・ブナ・クリ・ケヤキなどの広葉樹に比べその効果が高く、足裏にやさしく暖かいという特徴を持つ。一番のデメリットは傷付きやすいことである。
床下地に使われていた土台・束・大引きなどが少し湿気の影響を受けていたので、床下の通気には特段の配慮をした。これまで土壁だったところを撤去して金網張りとした。反対側の通気口が透けて見えるほどである。床下を通る風の量はずいぶんと改善されたと思う。
- カテゴリ