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古民家再生 大阪府堺市 解体工事
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解体作業が再生工事と同時に進んでいる。写真は北西のタタミ間。寝室や物入などとして使われていたところ。
木材に激しい腐りはないが、地面に近いところから少しずつ弱ってきている様子がうかがえる。当該間取りの下の土間の地盤が少し下がっていたのと、後の時代の廊下の建て増しによって床下給気口が少なくなってしまっていたのが悪影響を与えたのだと推察される。
大引きや根太の断面の様子。一般に木材は、中心部の赤味と呼ばれる部分の耐久性が高く、辺材の白太と呼ばれる部分は強度は高くても耐久性が赤味に比べて低い。理屈通りの腐りの入り方である。
ただし、100年近く経過してのこの状態であるので、室内が湿気て困るほどのことではなかったろうと容易に想像できる。適度な乾燥状態を保てれば、木材は建築用材として充分に使命を果たせるだけの性能を持っているのである。
今回工事では、写真のような状態の木材は新しいものに変えることにした。残して再生後の建物に再利用されるのは、今後の100年も生き残れそうな木材だけにしたい。
増築で給気口を塞いでしまった北側に湿気がたまりやすいことは確認できたので、増築部の基礎に新たな開口部を設け、大きな給気口を新設することにした。床下の、風の通り道を阻害していた壁も撤去したので、床下通風はだいぶ改善できたと思う。
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