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すさみの家 軒裏を張る
すさみの家では、これまで1階のピロティ部分の天井に仕上げの軒裏がなく、赤い鉄骨部分が見えていました。そのままでも、鉄骨の錆が早いぐらいで、ことさらに室内に対する影響はないように感じますが、これが大間違い。2階のピロティ直上の部屋はとても暑くて寒かったのです。
鉄は木に比べて、なんと600倍も熱伝導が高い。暑さ・寒さを室内に、木よりも600倍も伝えやすい素材です。つまりこれまでは、外部にあらわしの鉄骨が夏場や冬場の外気温を室内に伝え、だから夏に暑い・冬に寒い部屋が出来てしまっていたのです。
今回の改装ではこれまでの反省を生かし、鉄骨あらわしの部分に天井を造り、しっかり断熱処理することにしました。露出している鉄骨柱もしっかりと囲い込みます。
断熱材は高密度のパーフェクトバリア。グラスウールと違って、人にやさしいポリエステル断熱材です。しかもこの断熱材は、半分以上が衣料のフリースやペットボトルのリサイクル材で出来ている環境にも優しい建築資材。
直上の2階の部屋も、これまで畳敷きだけだった床を無垢の唐松のエンコウ板に張り替え、その下にはしっかりと断熱処理をしましたので、床下とピロティに二重の断熱処理をしたことにより、温熱環境は改善し居住性はかなり向上している筈です。