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古民家再生 大阪府堺市 寝室廻り
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古民家のフレームに建て増しされていた増築部分は、以前は食堂であったが、今回の改装で寝室に替わる。構造体を眺めてみると、古民家の本体部分と建て増しされた部分との違いがよく分かっていただけると思う。
天井を撤去した時点で、構造体をよく確認し、今後の方針を立てていくのは古民家部分と同じ。新しい部屋を造るために柱を撤去したところは、新たに荷払い梁を設けて既存の梁に無理が掛からないように配慮する。
床高さが主屋に合わせて15センチほど高くなるので、天井が相対的に低くなる。それで、新しい天井は屋根面にそって高くなる勾配天井とした。もちろん天井面(屋根面)の断熱施工も充分に行う。
既存床の上に土台・大引きを新たに組んで新しく床を造りなおす。既存の床は床下の影響を緩和する気密層・空気層として扱う。動かないように設えられた空気層は天然の断熱層である。
古い建物の多くは根太(床を支える部材)の隙間から壁の中に空気が入ってしまう構造になっている。これを徹底的に塞いで気密の性能を上げなければ、床下の冷気や湿気の影響をそのまま受けて、せっかく新しくした部屋も良好な室内環境は得られない。改装工事をするときには、床下の空気をいかにして壁に上げないか・・・をしっかりと考えておかないと快適性を担保することはできない。
上の写真は、床下からの空気の流入を発泡ウレタンで止めている様子。大きな隙間は言うまでもないが、給排水管や電気配線などの小さな貫通穴も逐一塞ぐことが肝要。
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