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古民家再生 大阪府堺市 解体撤去工事

解体工事で大変なのは解体業者よりもむしろ住まい手の方であることが多い。もう長いこと住んでいない、だから荷物もない・・・時にはそうでもないが、再生工事をするお家の大半にはまだ現役で使える、または使ってあげたい家具が大量に残っている場合が多い。

写真はほんの一部である。立派に造られた長持ち。中には箱同様の立派なものが入っていることが多い。都度に確認・仕分けをしながら・・・だから大変なのだが、だから大切なものが発見されることもあり、楽しみな作業でもあろうと思う。

処分してしまってもいいようなものは、「処分」と書いたシールを貼ってそのまま室内に残していただくことが多い。それらは他の建築廃材と共に産業廃棄物として業者にて処分する。

これが2階に残っていた大量の松のシバ。炊事の時にカマドの焚き付けとして使ったのか、他に特殊な用途があったものなのか、今となっては住まい手にもよくは分からない。シバを縛っている縄そのものがすでに朽ちていて、搬出には大いに苦労をされたようだ。思いがけないものが出てくるのも古民家再生の特徴である。

床をめくって床下を覗いてみると、壁土がはがれて竹の小舞いが見えているところがあった。この部分が元々の外壁面であろうと思う。後に縁側を増築した時に、床下通気のために人為的に土を落としたのであろう。外側の基礎にちゃんと通気口が付いているので、この再生工事ではこの部分の土壁は竹小舞と共に完全に取ってしまい、床下全体に風が充分入るようにしたいと思う。