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すさみの家 解体撤去工事 3
2階の解体撤去工事は大方のところが片付き、1階にステージは移っています。
ここでも、使えるところは出来るだけ使う・・・の方針に基づき、壁は仕上げを取り除いて下地を再使用。床も、弱ってしまったフローリングを撤去して、下地の根太などはそのまま再利用したいと思います。
ところで、奥の作業しているところが新建材のフローリング張りフロア、手前のルームランナーを置いているところがタタミを撤去した後の杉の無垢板の荒床部ですが、歩いてみると耐久性の明暗がくっきりと表れます。フローリング床は一足ごとにたわんで危なくて使用に耐えないのに比べて、畳の下地になっていた杉の無垢の荒床は45年以上経ってもビクともせず、まるで傷んでいる様子が感じられません。
無垢材は木の寿命が部材の寿命ですが、新建材などはノリの寿命が部材の寿命なのです。こんなのを解体建物ごとに体感していると、無垢の木材に対しての評価と信頼がますます高くなります。
基礎の立ち上がり部分はコンクリートブロックを積んで造られていました。木造建築物では構造上大変重要なところで、この部分の在り方・造り方に神経を使うところですが、本体構造が鉄骨造なので、主な荷重や外力は鉄骨部としっかりとした基礎コンクリートで受け持ち、立ち上がりは床の荷重が支えられればそれでよい・・・ということなのでしょう。
土間にはコンクリートが施工されていて、床下に地面からの湿気が上がっている様子も見受けられませんでした。木部も充分に乾燥しています。新しく土間コンクリートの施工を覚悟していたのですが、助かりました。
解体撤去工事が進むと薪用の取り置き材も増えてきます。釘が多く入っていたり、ノリがたくさん付いていたり、断面が小さかったり・薄かったりするものは全て処分してもらうことにして、ここには後に容易に薪になりそうな木材のみを取り置きしてもらっています。最終的にはもう少し増えると思います。
本当に薪にするには、釘やネジを丁寧に取り除いて、まずは40センチほどに切りそろえて、さらに断面の大きなものは適当に割って・・・と、まだまだ手間が必要です。でも、これだけあればひと冬分にはなりそうです。