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すさみの家 改装工事
久しぶりに「今日の現場から」を書き始めます。今回はすさみの家の改装工事。いつもは木の家の紹介ばかりですが、このお家は鉄骨造。実は45年程前に父が建った私の実家です。
すさみの街も、私が暮らしていた頃とはすっかり変わって、人口は半分ほどになってしまったのに家が増えたり、道が増えたり・・・実家の目の前にあるこの川も、私が中学生の時代にアユやウナギを追いかけていた時にはこんなにせき止められていなくて魚がいっぱいで、子供には充分な遊びのフィールドでした。右手に見える道路もただの土盛りした堤防でした。
何もかもがコンクリートで固められたこの環境が生き物たちにとって良いのか悪いのか・・・という議論はさておき、人の暮らしは状況を変えてしまうものです。
それでなくても人口流出で地価が下がっていたのに、南海トラフ大地震というのが大々的にマスメディアで報じられるようになってから、すさみではすっかり土地や建物が売れなくなりました。
土地・建物は売れない、放っておくとどんどん老朽化する、人の代わりにハトが住み始める。人が住んでいない建物の固定資産税がとんでもなく高くなりそう。取り壊しには結構な費用が掛かる・・・などの諸事情を総合して、ならばいっそ改装して、鉄骨造建築物の改装モデルとして事業に役立てるか・・・ということになりました。
建物は鉄骨造2階建て。道路が中2階レベルにあるため、建物構造は少し複雑になっています。まずは、落ちかけているパラペットや、玄関部分の袖壁・小屋根などを整理し、1階部分の車庫なども撤去して、全体にスッキリした外観にするつもりです。
屋根形状などは大変わりしませんが、シャッター部分はもう少し住宅玄関としての体裁を整えます。現在の階段を上がったところにある玄関は勝手口として使う予定です。敷地に余裕がないので、1階を少し減築してピロティ―を広くします。
改装の様子は、今後このコーナーでご紹介していきますが、改装工事にご興味をお持ちの方はご連絡ください。直接現場を見ていただくことも可能です。