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BMWアルピナB3に乗る。
去年の暮れに友達から、クルマを買った・・・と聞きました。それがなんと、こともあろうに年間1700台ほどしか生産されていないという、かの有名なBMWアルピナB3。
そのクルマにこの度乗せてもらうことができました。ベースはF30型、以前に自分が同じ型の320iに乗っていたこともあって、私はこの型がお気に入りです。アルピナのウンチクについてはネットを参照いただくとして、ハンドルを握った感想をひとつ。
走り出しての第一印象は、車体全体の剛性感が半端なく高いこと。もちろんステアリング剛性も高く、太く大きいタイヤを履いているので人によっては、ハンドルが重い・・・と感じる方がおられるかもしれません。でも、だからどんな速度域でもどんな道路状況でも操舵感がスッキリ・シャープで正確なのでしょう。
エンジンは6気筒の3000cc、ウルトラスムーズに回って400馬力を超える力を持っています。しかし、到底そんな力が発揮されるところまでアクセルを踏む勇気はありません。というより、ほんの少しのアクセル開度からトルクフルでとっても気持ちのいい加速が味わえるのです。素晴らしいブレーキと協調して思いのままの加減速が出来ます。
スポーツ性能の高いクルマは、とかく乗り心地が悪かったり粗かったり、動きが荒々しかったりするものですが、今回私が一番驚いたのはこのB3がとびぬけた運動性能を持ちながら、恐ろしく快適に走ることです。とうてい20インチで30扁平のタイヤを履いているなどとはにわかには信じられません。
運転モードには、エコ・コンフォート・スポーツ・スポーツ+の四つがあって、走り出しはコンフォートでした。そのせいでこんなに乗り心地が良いのか・・・とスポーツモードに入れてみました。サスが締まって全体の揺れが少なくなり運動性は高まりましたが、乗り心地が悪くなることはありません。私には街乗りから峠道までスポーツモードで何の不満もありません。
どこのモードに入っていようが、スポーツカーとしての高いパフォーマンスを発揮しながらラグジュアリーで快適・・・という相反する性能を両立させてしまうのがアルピナの真骨頂なのでしょう。