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府中の家 土を選ぶ。

府中の家の玄関やポーチ・玄関収納などの床は昔ながらのタタキの土間に似せて、真砂土モルタルを塗って仕上げます。タタキの土間は、粘土質の土を上から叩いて押さえて床に仕上げますが、なんせ元が土ですから、使っている内に減って凹んできます。最近ではなかなか凹みを許容出来ないので、色合いや雰囲気を似せた真砂土モルタルという、セメントに土を混ぜた材料で土より硬く仕上げるわけです。
ところが真砂土モルタルは、自然そのままの、地域でとれる色の濃い土をモルタルに混ぜ込んでバリエーションを作るものですから、既製品のように決まったものを作るのが難しい。田辺で作ったものと、御坊で造ったものと、和歌山で作ったものはそれぞれに違うわけで、そうは言っても、全くお任せで出来上がりを待つわけにもいかず、今出来るものでとりあえず見本を作ってみて・・・となります。
写真の見本はそうして作られたもの。見本の裏には、どこの土とどこの土をどのくらい混ぜてセメントをどのくらい入れた・・・などと細かい配分がそれぞれに書かれています。
さて、色の違いも表面仕上げも微妙に違うものを目の前にして、はたしてどこまで正確な判断が出来るのか・・・試されている気分です。