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府中の家 紙を選ぶ。

今回は和紙選びです。最近ではメジャーなメーカーも和紙クロスをラインナップしていて、ひと昔前のように和紙貼り仕上げもそんなに特殊な仕上げではなくなりました。そうは言っても、メジャーメーカの品物は施工性やメンテナンスに気を使うばかりに、純粋な和紙の良さを少なからずスポイルしているような気もして・・・私が採用しているのは四国は高知で作られている土佐和紙です。決め手は調湿性と透湿抵抗の低さ。爽やかで快適な室内を造るのに必要な性能を最重視しています。価格はビニールクロスと変わりません。もちろん防火性能も有しています。
ビニールクロスは汎用品で安価で品数が多くメンテも容易・・・と良いところも多いのですが、湿気をほぼ完全に遮断してしまうのが致命的です。これでは室内の結露やカビ発生のリスクから逃れることは出来ません。室内の仕上げ材は、木・土・紙といずれも調湿性能が高く透湿抵抗が低いものを選ぶのが肝心です。そのために、壁体内で結露しないようにしっかりとした結露計算をしています。
しかし、品物選びは難しい。バラエティー豊かなビニールクロスとは違い、和紙はいずれも微妙な差。出来るだけ和紙らしく木の繊維などが多く入った素材感ゆたかなものを選んで、後は仕上がりを待ちます・・・楽しみであったり怖かったり。