読みものArticle
木の家と断熱材。
住宅に使用する断熱材ではグラスウール・ロックウールなどの繊維系断熱材、ウレタンフォーム・押出法ポリスチレンフォームなどの発泡系断熱材などが一般的です。また天然素材では羊毛、杉皮断熱材、セルロースファイバーなどがあります。
数多くある断熱材の中より「室内の湿気を屋外に排出して建物全体で湿気の調整を行い、木の家にふさわしい清々しい住環境を手に入れる」という目標を達成するには、透湿抵抗の高いビニール袋の中に入っている繊維系断熱材や、湿気を遮断してしまう発泡系断熱材は向いていません。適性があるのは透湿抵抗の低い天然素材系の断熱材ですが、施工性・価格などを考慮に入れると天然素材系の断熱材も万能ではありません。
そこで、中村設計では次世代断熱材として開発されたポリエステル断熱材を選択しています。ポリエステル断熱材はペットボトルをリサイクルして作られたポリエステル繊維でできているので環境にも優しく、断熱性はグラスウールと同等以上の性能を発揮し、人体に対して有害性がないため透湿抵抗の高いビニール袋には入っていないので湿気の屋外排出に適した断熱材だといえます。
「赤ちゃんがくるまっても安心な断熱材」を標榜するパーフェクトバリアという名のポリエステル断熱材を開発・販売しているエンデバーハウス株式会社によると、以下の五つの項目をパーフェクトバリアの特徴として記しています。
・接着剤を使用していない為、ホルムアルデヒド等の有害物質揮発の心配がなく、シックハウスの原因物質とならない。
・ポリエステルは、口をつける飲料ボトルに多用される程大変安全な材料である。
・虫食害・発酵腐敗の心配が無いので一切の防止薬物の混入の必要が無く、防止薬剤による二次被害がない。
・手触りも優しく粉塵が肌に刺さることもなく、肺に刺さって発ガン性を疑われることもない。万一吸引しても咳で体外に排出さる。
・環境ホルモンも出さず、燃えてもダイオキシン・シアンガス等の有毒ガスを出す心配がない。完全燃焼すると水と炭酸ガスに分解される。
ポリエステル断熱材は繊維系断熱材なうえビニール袋に入っていないので、壁の内部で結露を起こす心配があります。しっかりと結露計算をして、湿気排出ルートの材料選択や組み合わせなどの構造検討による入念な防露対策を施し、清々しく快適な室内を実現しましょう。