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呼吸できる家であること。

・呼吸できる家であること。
人は、寒い日にも湿度が高ければそれほど寒く感じなかったり、暑い日でも湿度が低ければ涼しさを感じたりします。おおよそ40%~60%の湿度状態が適度な湿気の環境。湿度が30%を下回るとウィルスの繁殖が盛んになり、70%を上回るとカビやダニが発生し易くなります。湿度管理は快適生活に重要な影響を及ぼす要素です。
日差しや風の制御が適切に出来ていて、湿気調整に有利な天然素材を使っていれば湿気対策にはとても有効です。さらに、床・壁・天井のすべての部分に湿気排出のための建築的な工夫を凝らした、建物全体で湿気の調節ができる「呼吸する住まい」が造れれば、より快適な空間となるでしょう。
床や壁・天井を通して部屋内の湿気を屋外に排出するには、結露計算に基づき、それぞれのヶ所に適切な透湿抵抗を示す材料を的確に組み合わせ、室内外の気温差・湿度差による空気の動きに合わせて、室内の湿気を屋外に導く湿気の通り道を造ることになります。結露に細心の注意をし、室内仕上げはビニールクロス、断熱材はグラスファイバー、外壁下地は構造用合板という常識から少し距離を置いた呼吸する住まいは、機械依存の少ない清々しくさわやかな環境を私たちに提供してくれます。