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福岡市赤煉瓦文化館。
歩き出して最初に行き着いたのが町家保存地区と櫛田神社、その次がこの福岡市赤煉瓦文化館。設計は東京駅などを設計した辰野金吾。元々は日本生命の九州支店として明治の後期に建てられたのだそうな。現在は有料の会議室などを備えた赤煉瓦文化館として広く市民に開放されています。
全体はレンガ積みと白い花崗岩を貼った意匠。壁も柱も厚く、空間の利用効率をそれなりに圧迫はしますが、存在感はたいしたもの。各部屋の入り口が厚い壁(柱)の向こうにあるために、今時の建物に比べると独立性が高くとても重厚。屋内の廊下を歩いていても街路を歩いているような感覚に包まれます。各部の造りが逐一緻密で、設計も施工もこの建物につぎ込んだ情熱がうかがい知れようというものです。
イギリスの様式をまねてとても丁寧に建てられています。当時の日本人の西洋に対する憧れがそのまま形になったような建物だと感じました。唯々大事に保存するのではなく、それなりに使いながらこれまでこの状態を保ってきた街の方々に敬意を表します。