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背割り部の処理は難しい。
建物は、雨の侵入の可能性のあるところや隙間風の来そうな所(美観上気になるところも)は、隙間を塞いだ上にコーキングなどで防水・防風の処理をします。サイディングや金属面などは比較的処置の安定するところですが、木部については注意を要します。理由のひとつは木部の接着力が弱いこと。もう一つは、木材が乾燥によって動く(開いたり閉じたりする)ことがあるからです。
新築時には充分に乾燥していたのに、後の湿気で思わぬところに影響が出たり、逆に新築時から乾燥が進んで木と木の間に隙間が出来たり・・・木は時々の状況で色々な表情を見せます。
私たちが日常的に直面するのは、芯持ち柱の背割り部分(写真の丸太柱の縦割れのひびみたいに見えるところが背割り)の処理。柱には背割りという切れ込みを計画的にいれます。そこに力が集中することで、思わぬ所に発生する割れを抑制するためです。しかし、結果として背割れ部分の開き具合は状況によって変化します。ですから、新築時からこの部分をきれいに塞ぐことは難しい・・・落ち着いてくるのは築後3年を過ぎたぐらいから。
木の家工房Mo-kuの場合、通し柱の背割りが問題でした。1階が駐車場、2階に事務所の構成ですから、1階から2階までつながっている背割り部分から風が進入したのです。すぐに詰めても問題解決につながらないことは経験的に分かっていますので、いったんは発泡ウレタン(市販スプレー)で塞いでおいて、今回の補修(築9年目)でやっとコーキング処理(完全に塞ぐ)しました。