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お勉強。
建築士はその技能を維持又は向上させるために、定期的あるいは事象が発生した時に相応の研修を受けます。今回の研修は建築基準法の改正に伴うもの・・・という訳で、お勉強に行ってきました。
どうやら、木の建築物に関する法令が少し緩和されるようで、好ましい方向です。ただし、主はCLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)などの積層接着した厚型パネルに関するものが主です。紀州材として微妙なのは緩和された法規の対象が無垢材よりも積層材に向いていることです。
紀州の山は、一部をのぞいては、ほとんどが中小零細の林業家のもち山です。九州などのように大規模集積型の製材業の形態を取れていませんので、積層材の材料が大量に必要になったときに対応できるのかどうかが問題です。そうなると、材料の質が云々・・・というよりも、価格を安く安定的に・・・が競争原理の主軸になるでしょう。その争いに向いていないのが紀州の山なのです。だから、単なる構造材としてだけではなく、木が木として勝負できる建物を造りたい・・・私が無垢の紀州材を用いた家づくりにこだわる訳もここにあります。
なにはともあれ、木の家は少し造りやすくなるようなので心強い・・・それにしても、研修や講習などというものは何故こんなに難しく解説してしまうのでしょう。お勉強にしてしまうと、何だかこんがらがって益々難しい。