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走行感など アウディ A4 アバント。
走り出してすぐに感じるのは、走行感が実にジェントルなことです。室内にいる限りディーゼルエンジンを意識するようなことはなく、音や振動や回転のスムーズさでガソリンエンジン車との違いを感じることはほとんどありません。むしろ、低速では粘り強く中速からの加速は強力で、普段は少しユッタリめのディーゼル独特の回転感が緊張や疲労を和らげてくれる方向に作用して快適です。時速100キロでエンジンは1300回転強ほど回っています。この回転域でもトルクはしっかり出ているようで、加速に困ったり、坂道で速度が落ちてきたりすることはありません。Q5で不快に感じた、ごく低速域での再加速時の息つきもなく、このディーゼルエンジンの優秀さを実感しています。
よく動くサスのおかげで路面の凸凹はほどよく丸められ、厳しい突き上げは少なく、室内はQ5より快適です。ハンドル操作にも的確に反応し、小舵角時のクルマの動きにも不満はありません。高速に入ると落ち着いて、しっかりとした直進性を示します。
ただ一つの誤算は、これまでの代車(A4の各車)で感じていた、感心するほどの滑らかさが足回りから感じられないことです。代車との違いはこのクルマがワゴン(アバント)であること。試乗したのはいずれもセダンでした。ワゴンである限りは当然後ろのカーゴルームに荷物を載せることを想定しているはずで、その分リアサスが硬いめに設定されているでしょうから、それが原因なのでしょう。
感心するほどの滑らかさはなくとも、充分に快適なので、特段の不満はありません。それにしても、普段は見逃されがちなセダンの存在価値を改めて感じた次第です。