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計画用紙。

聞き取りや要望を伺った後で考えがまとまってきた時に、一番最初にするのはゾーニング・・・建物の中でどんな動きをするのか、どんな風に空間をつなげると動きやすいか、またはどうあるべきか・・・次の段階は、それを現実寸法でどのように建物に落とし込むか・・・その時に必要になるのが計画をするための用紙です。
市販の方眼紙でも良いのですが、スケール感を養いたい・・・という気持ちもあって、住宅などで使う実際の寸法にこだわって、自分用の計画用紙を作りました・・・金もないのに大量に。寸法は910ミリモジュールの関東間用と、985ミリモジュールの京間用。仕事もない時代に困惑するほどの量で手元に届いたときには、事務所のネームが入っている用紙を誇らしくも思いましたが正直、こんなにあってもどうするの・・・と支払いの方が気になったものでした。
時間の経過とは恐ろしいもので、それが今どうやら底をつきかけてきたのです。この紙でどれほどの建物を計画してきたことでしょう・・・これまでの設計人生を振り返りながら、若かった自分に、君が大枚はたいて作ってくれた計画用紙はとっても役に立ったよ・・・と大声で言ってあげたい気分です・・・ありがとう。