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大島の平屋 竣工しました。

去年の年明けに、当時ニューヨークにお住まいだった住まい手からお声がけいただいた大島の平屋が、とうとう竣工いたしました。
段取りは敷地の地目変更から。農地転用の手続きの間に設計を進め、着工したのは昨年秋。その年の年末にコンクリート工事を済ませて、充分に乾燥期間を取り、棟上げが今年の3月。そして、いよいよの竣工(完成)です。
建物はいつもの中村設計の文法にのっとって、天然乾燥の紀州材と土・石・紙などの、人と環境にやさしい天然素材を使って、断熱・気密の性能だけでなく、調湿や蓄熱にも気を使った家づくりを心掛けました。本州の最南端で黒潮に近い串本・大島は、夏に涼しく冬に暖かい土地柄。建物に使った素材と諸々の建築的な工夫で、パッシブな環境共生を目指します。
はじめて連絡をいただいた時には、ニューヨークと田辺でやり取りしながらの家づくりは本当に可能なのか・・・と心配もしましたが、精力的で粘り強くお付き合いいただいたおかげで、無事に完成の日を迎え、引き渡しを済ませることができました。
今となっては、遠くからこんな田舎の設計者を発見してくださり、信じていただけたことを心からありがたく思っています。
おめでとうございました。そして、ありがとうございました。