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含水率 印南の家

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    天然乾燥材の調達・検査では、樹種・寸法、目込み・色味、傷・腐れ・虫などはいずれも目に見える項目だが、含水率は目には見えない。しかし、含水率は建物として組あがった後に、曲がり・腐り・虫(シロアリ)被害などに大きな影響を与える項目なので、特段の注意が必要である。
    プレカット(機械加工)の材料は人工乾燥材と組み合わされることが多いので、含水率に対する心配は少ないが、手加工に用いる天然乾燥材では、乾燥は手間と技を要する重要管理項目である。
    写真の柱材は15.9%の含水率を示している。木材供給を担当した龍神の林業家の経験がいかんなく発揮された結果であり、天然乾燥材としては優秀な数字である。
    含水率計が普及するまでは、大工は背割り(材中心に入る人工的な切込み)の開き具合と材の重さで判断していた。この材は背割りも充分に開き、番付けや墨付け時にも扱いやすい重量にまで水分を減らしている。

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