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府中の家 構造を考える。

平面や立面・断面のプランが決まり外観なども整え終えたら、建物に与える強さや外皮性能(断熱性能)の設定を行います。これでこの建物のだいたいの性格が固まりましたので、いよいよ実施設計のための構造計画を考えます。
基礎・床下・梁・小屋などのそれぞれを伏図の形でスケッチしていくのです。これは建物を成立させるための基本中の基本の作業ではありますが、この時点で基礎の考え方や梁組の構成、ひいては建物そのもののデザインまでを決めてしまう大変大切な作業でもあります。
最近の設計者は、プランが仕事、基礎は構造屋さんの仕事で、木組みなどはプレカット屋さんの仕事・・・と思っている方もいるようですが、私はこれには賛成できない。むしろ、基礎や梁組などの詳細を考えることこそが設計者の仕事で木の家を造っていくときの醍醐味であり、やりがいであると思っています。
中にも外にも木が見えない木造の建物があふれる昨今、木組みの楽しみや面白さが忘れられていくのはさみしいことです。