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府中の家 梁伏図。

梁伏図は柱と梁の組み方や部材の仕様・寸法などを示すための図面です。この図面が私的には計画していて一番楽しい。どの梁をどのように組んでどのように見せる、どの柱を見せてどの柱を隠す。そうするためにはどんな工夫が必要なのか・・・木の家のデザインに直結する項目を、あれやこれやと考えながら決めていくのは設計者冥利に尽きるというものです。
府中の家では内部に見える梁・柱・タルキなどの類をすくなくし、古民家風から少し離れてスッキリとまとめたいと思います。あまりスッキリしすぎると木の家らしさがそこなわれてしまいがちですから、そこの加減が難しい。もちろん真っ直ぐの天井は造りません。屋根勾配を利用して、あるところはロフトとして、あるところは空間の広がりとして利用します。
ロフトは天井高が1,400ミリ以下と決められていますから、構造材の組み方を工夫して、高すぎず低すぎずの頃合いのところを探らねばなりません。そうするとここのところがこうなってああなって・・・構造材だけでなく、化粧材も含めた建物を構成する全ての部材のあり方が粗方この時点できまり、各部のデザインも固まっていきます。