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府中の家 基礎梁の工夫。

府中の家では、通常当事務所で木造住宅の基礎として設計している基礎断面(スケッチ左)と少し違った基礎断面(スケッチ右)を採用しようと思います。
立ち上がり部分を梁として採用する左の基礎は、高さも充分に取れてしっかりした基礎梁が出来るのですが、ある程度の大きさごとに閉鎖型となるため、床にブロックごとの床下進入口が必要になります。さらに、床下換気にも制約が生まれます。対して右の基礎は、梁高さが400ミリの制限を受けますが、床スラブの下部で全ての梁組が完結してしまえるため立ち上がり部分はさしたる構造上の制限を受けません。つまり、ブロックごとに立ち上がりを閉鎖型にする必要は無くなり、床スラブの上ではとても自由な立ち上がりの構成が可能になります。床下進入口などはなくなり、立ち上がり部分に給気口(通風口)が好きに取れるため、床下換気にはとっても適した基礎形状と言えるでしょう。
府中の家では右の基礎形状を採用し、日本古来の高床式の住居に近い風の通しの良い基礎とすることで、木材の乾燥を促す事で建物の耐久性を増し、設備配管類のメンテを容易にし、シロアリの食害からも逃れたいと思います。