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木の調湿性能を活かした手入れ

木の特性

 木は、無数の細胞からなります。高さ方向へはパイプ状に伸び、断面は網目状に広がっているこの細胞の存在が、木のいろいろな効能の鍵をにぎっています。
 一つは、断熱性能です。細胞の中に熱を伝えにくい空気をふくんでいるため、コンクリートなどに比べ、木は高い断熱性を誇ります。
 もう一つはクッション性です。細胞が柔軟に変形してクッションのような役目をするので、たとえば、大理石に比べて木は2~3倍の衝撃吸収能力があるといわれます。床・壁に使用すると触りが優しく、ケガの軽減にも役立ちます。
 最後は、調湿性能。周囲に水蒸気がふえると、木材は空気を蓄えていた細胞の中へ、水分を吸着しはじめます。この水分交換による調湿作用は、私達に蒸れや乾燥しらずの快適さをもたらしますが、一方で木自身の身には膨張収縮というサイズ変化をおこします。
 調湿性能と水分による膨張収縮作用は、応用すると、このようにキズも修復したりできます。

 

「やってしまった…」そんな時には。

患部にしばらくアツアツの蒸しタオルを置いてみましょう。
水を充分にふくませた厚手のタオルをあてて、上から軽くアイロンをかける・スチームをするという方法もあります。小さなへこみキズは、これで盛り返し直るコトがあります。しばらく様子を見て、充分に快復したところでタオルを取り、余分な水分は拭き取ります。

キズがほわんと膨らんで治る様子を見ていると、「本当に植物なんだなぁ。」「生きていたんだなぁ…」と感慨深く、木の「呼吸」をリアルに感じます。
実験みたいで、ちょっと楽しいメンテナンスです。