コラムcolumn

乾燥材を用いた家づくりを。

  • 家づくりを楽しむために -その48
乾燥材を用いた家づくりを。
耐久性・調湿性などの木の特性を、住む人が体感できる形で引き出すには「見えるように使う」ことが大切です。
また、大前提として「乾燥材を用意する」ということが重要です。
木に調湿性があるということは、空気中の温度・湿度が変化すると、木の中の水分も増えたり、減ったりするということです。この変動が大きいと、伸縮・割れ・反り・くるいが起こりやすくなります。山で切った時には自重の2倍ちかくも水分を含んでいることがままある木材ですが、適切な水準まで乾燥させると、こういったリスクを軽減できます。
よく管理された乾燥材を用いるか否かは、家の耐久性と見栄えに大きく影響をあたえます。
設備や間取りといったことに、つい目がいきがちな家づくり。
管理の行き届いた乾燥材はいくぶん高いものですが、長い目で見れば、決して高価な買い物ではありません。
家の骨格となる木の種類は何か、乾燥材なのか……?と、いうようなことにも気を配りたいものです。

本末転倒にならない家づくりを。

  • 家づくりを楽しむために -その47
本末転倒にならない家づくりを。
家族がいっしょに過ごせる、まとまった空間を確保する。人・環境にやさしい自然素材を用いる。軒を低くし、風通しを考えて窓の位置や大きさを決める。そして、調湿効果のある材料を用いて、雨が多く、湿度が高い気候風土に快適に住まう・・・「家族のコミュニケーションを大切にし、健康で心地よく暮らせること」家づくりの基本は、案外身近なところにあります。
ところが、プランの打ち合わせに入った途端、「エアコンの効率を考えて、もっと部屋を小さく区切ってください」、「掃除が楽な新建材にしてください」など、基本はどこへやら。過剰に利便性・合理性を要求するあまり、本末転倒をおこしてしまうことがよくあります。
基本を忘れずに、アイディア・工夫を凝らして、自分たちの求める家づくりをしていただきたい。そして、「どうしても足り ない部分 だけ機械設備で補う」というスタンスが大切だと考えています。

素材の特性をトータルに引き出す家づくりを。

  • 家づくりを楽しむために -その46
素材の特性をトータルに引き出す家づくりを。
せっかく優良な “ 紀州材 ” を使っているのに、壁の中に隠してしまっている・・・そんなもったいない話を伺うことがよくあります。
「(現場の)手間がはぶける、きれいに仕上げやすい」ということで、柱や梁を壁の中に入れてしまう建築様式が主流になっている現在ですが、木の耐久性、 呼吸し調湿するなどの機能性、本来持つ多彩な特性を引き出すことを考えると、「木はオモテに見えるように使う」ことをおすすめします。
「昔の家はよかった!」的なノスタルジーから、こんなことを言うのではありません。
そうすることが、この地で快適に住まうための最も適切な方法であると考えるからです。
「木の家は心地いい」「人にやさしい」と言われます。しかしそれは、木材の性質を正しく理解し、良さが適切に発揮されるカタチできちんと扱って建てられた家に言えることです。
五感で木の良さを体感することができる“あらわし” の家づくりを心がけていただくことを願っています。

「コンセプト」を素直に表現しよう。

  • 家づくりを楽しむために -その45
「コンセプト」を素直に表現しよう。
家というものには、人それぞれの好みと価値観があり、簡単に比較して良し悪しを語ることはできません。
また、みんなが評価する「いい家」が、住まい手にとって必ずそうであるとも限りません。
おもしろい、個性が伝わる家というのは、コンセプトが素直に表現された家だといえます。
「何十冊もの専門誌を読み、何十件もの展示場を訪れ、自分で一生懸命勉強をしていたが、うまくいかなかった」という方が、相性の合う建築家に出逢い、「自分が何を求めているのかを伝え、質問を発し、回答を求め、アイディアに耳を傾けたことで、イメージしていた家ができた」「悩んでいた家づくりの道すじが明確になった」という嬉しい話を耳にすることがあります。
「家づくり」は人生の大きな転機・チャンスです。
チャレンジする価値のあるものです。
「家ってこんなもの」と妥協しないで、あなたの 「コンセプト」を追求していただくことを願ってやみません。 建築家がお施主さんと語り、情熱を注いだプランをカタチ にするために、「設計」「監理」を大切にしていただきたいと思っています。

設計と監理は一体のもの。

  • 家づくりを楽しむために -その44
設計と監理は一体のもの。
美しいシンフォニーを奏でるオーケストラ。指揮者はただ単にタクトを振っているのではありません。
譜面を読み起こし、それぞれのパートとコミュニケーションをとり、あらゆる要素を微妙なニュアンスまで突き詰めて、曲を完成させているのです。
設計事務所の仕事についても同じようなことがいえます。
「設計図」は楽譜のようなもの。それを忠実に再現する指揮者がいなければ、設計者がイメージした建物を完成させることはできません。
「設計」の作業と「監理」の作業を別々に発注したために、思ったものができなかったというケースがたくさんあります。
建築家が頭に描いた建物の完成イメージのすべてを、図面の指示だけで、第三者が100パーセントカタチにすることはできません。
建築家がご家族と語り、情熱を注いだプランをカタチにするために、「設計」と「監理」を別々にしない家づくりをしていただきたいと思っています。

家族の一体感を取り戻そう。

  • 家づくりを楽しむために -その43
家族の一体感を取り戻そう。
「そんな広い空間にすると、冬は寒いし、夏は暑いんじゃないですか。」・・・プランニングの際に、お施主さんから、よくこんな質問をいただくことがあります。  確かに、熱効率を考えると、「広い空間よりも部屋をいくつかつくるほうがいい」というのも一理あります。しかし、熱・湿気・風通し対策をきちんとすれば、その問題はクリアできるのです。
紀南は、気候風土に恵まれた、暮らしやすい地域であるがゆえに、断熱・蓄熱対策といったことにあまり注意をはらってきませんでした。その結果、「大空間は寒い」といった先入観をもってしまう方が多いのだと思います。
また、部屋をいくつもつくるということは、プライバシーが守られる反面、一人一人が孤立しがちになってしまうということも忘れたくありません。
家族が一つの空間で、お互いの存在を確認しながら過ごす・・・
大空間の良さを見つめなおし、家づくりにうまく取り入れていただきたいものです。

新年あけましておめでとうございます。 旧年中は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。

  • 家づくりを楽しむために-2002年始号
新年あけましておめでとうございます。 旧年中は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
ひとをかがやかせ、よろこびをともに分かち合う仕事への誇り。そして、まちがときめくか否かの鍵のひとつは、私たちの手に委ねられているという責任感と使命感・・・。 
2002年の幕開けに際し、「より地域社会に役立てる設計事務所」であることを期し、コミュニティーを大切にした空間づくりにスタッフ一同邁進してまいります。 
本年もご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。

「紀南らしさ」をつくりだそう。

  • 家づくりを楽しむために -その42
「紀南らしさ」をつくりだそう。
東北・関東・関西・九州…日本の各地の住宅街をみてみると、地域によって気候・風土が異なるはずなのに、同じような家が建ち並んでいます。
利便性・効率を追求するあまり、ここ数十年で日本の住風景は一変してしまいました。
職人が腕をふるう場所を奪い、代々受け継がれてきた、地域独特の家づくりの知恵と住文化を置き去りにしてきたのです。
日本人が得意とする柔軟で自由な発想で、先人が築き上げてきた知恵と技術をいかし、新しいものをうまく取り入れて、「伝統に裏付けられた新しさ」を、私たちはつくりだすことができるはずです。
木材など恵まれた地元の資源を有効に使い、森林の保全に家づくりを通して貢献する。地元の職人が誇りをもって腕を揮える機会をつくりだし、喜びを分かち合う……そんな、 地域を大切にした「紀南らしさ」にこだわった家づくりの輪が、広がっていくことを願ってやみません。

「木」の家に住む価値と意味を学ぼう。

  • 家づくりを楽しむために -その41
「木」の家に住む価値と意味を学ぼう。
健康・環境意識の高まりとともに、木の家・自然素材の家への関心が全国的な広がりをみせています。そして、書店の建築雑誌のコーナーにも「木」の良さが見事に表現された住宅の特集があふれています。
「せっかく構造に木を用いているのに、壁を新建材で覆い、木の特性がいかされていない家」でなく、「木の優れた性質と特長が、構造からデザインにまでいかされた家」を求めるのは当然のことだと思います。
ところが、現実は思うほど簡単ではありません。肝心の「木」の部分が割れる、曲がる、色あせる、工事が長引く・・・望んでいたような仕上がりにならず、挙句の果てに大変な高ものになってしまったという、冗談のようで笑えない問題が身近に起こっています。
長く付き合え、評価も高い、この国の住文化を支えてきた「木」という素材。彼らとの付き合い方を学ぶとともに、その特性と特徴を最大限にいかす「木」を「木」として使う工夫を凝らしたいものです。

使い捨てにならない「家づくり」を。

  • 家づくりを楽しむために -その40
使い捨てにならない「家づくり」を。
昔は家を建てると、そのときに「木」を植えました。
「この家は百年はもつから、百年後、家を建てる時分にちょうど良いだろう」 ……そんな時間感覚だったのです。
今のそれとは随分違うようです。
この話から、今回は二つのことに着目しました。一つは、住宅を「資産・財 産」と認識し百年を越えるスパンで寿命の設定をしていたということです。統計によると、戦後~平成に至るまで、長い間の日本の住宅寿命は平均30年にも満たないものでした。ローンを終えてすぐ寿命を迎えるようなものは、本来ただの「負債」で「資産・財産」 とは言えません。
家族のアイデンティティと共に「親」から「子」へと受け継げてこそ、価値があるのです。
もう一つは地域循環、環境循環という考え方です。私たちの文化は、それぞれの地域の素材をいかし、自然の中で調和のとれるものを創っていく中で育まれてきました。「住宅建築」は地域の経済や環境と密接に関わっているのです。
使い捨てにならない「家づくり」で、地域の経済や自然環境の保護に役立っていきたいものです。

しっかりとした価値観を。

  • 家づくりを楽しむために -その39
しっかりとした価値観を。
「日本は、経済は一流。文化は三流。」という意見を耳にします。私たちの、経済性、利便性、合理性を過剰に追求する姿勢もあきらかに方向転換の時期が来ています。
ゴミや環境問題などを国の内外にわたって引き起こしたり、区画整理事業で安全を優先するあまり、せっかく成立していたかけがえのないコミュニティーが崩壊する集落があったり、住まうことに対しての優先順位をつけ間違えたためにシックハウスやハウスダストに悩んだり・・・私たちにとっての「幸福」「快適」とは何なのでしょうか。 
そして、私たちは流行に流されすぎだとも感じています。
外壁サイディングに内部はクロス貼り。深い考えも無しのバリアフリー・・・日本国中同じ家があふれています。
本当に多くの警鐘が鳴らされている今日、目先のことにとらわれないで、そして氾濫する情報に流されないで、しっかりとした判断力を持ち、次世代のために責任を果たしていきたいものです。

家族の変遷を包み込む家づくりを。

  • 家づくりを楽しむために -その38
家族の変遷を包み込む家づくりを。
「部屋でごろごろしないで、勉強しなさい。」「きちんと掃除しなさい。」・・・夏休みを迎えて、家族紛争が絶えないご家庭も多いのではないでしょうか。
私たち親は、「落ち着いて勉強させてあげたい。」「心地よい環境で自立心を養なってほしい。」と願って、子供に部屋を与えたはずです。にもかかわらず、かえって勉強しなくなったり、だらしなくなったり。そして、親の干渉に対して、「カギをつけてちょうだい。」「ボクの部屋に勝手に入らないで。」と部屋を与えたために、親子関係がギクシャクしたりするケースが多いように思います。
私たち親はどうしても子供中心に物事を考えがちで、自分たちのことを犠牲にしているようにも思います。
安易に子供のことを第一に考えた家づくりではなく、歳月の経過とともに移り変わる家族の暮らしを包み込む家づくりが大切だと考えています。

住文化の違いをきちんと認識しよう。

  • 家づくりを楽しむために -その37
住文化の違いをきちんと認識しよう。

日本の住まいは「傘の家」、欧米の住まいは「壁の家」と言われます。
日本では、梅雨時の雨に備える軒の長い屋根、それを支える柱と梁……傘を開いた時のように雨や日差しをしのぎやすく、風通しの良い建物スタイル……先人達は、四季があり、高温多湿な土地柄に合った開放的な住まいを築いてきました。
一方、欧米では、厳しい冬や乾燥・外敵に備えるために、石や土で造られた壁に小さな窓を設けた閉鎖的な住まいを築いてきました。
どちらもそれぞれの気候・風土に根ざした合理性のある住まいです。
情報社会の一つの弊害は、深く意義を考える間もなく、ビジュアルが選択の方向を決定づけてしまうことです。
最近流行だから……格好がよく見えるから……というような理由で、「壁の家」を日本の住まいに持ち込んでしまうのは危険なことです。
よその世界で快適な「壁の家」も、日本では結露がひどかったり、エアコンをフル稼働させないと夏や冬が過ごせなかったり……一人一人が個室で過ごすためにプライバシーが一人歩きして、家族のコミュニケーションがうまくとれないといった事も起こっています。
気候・風土に根ざした建物を基本に、現代に必要な性能と感性をプラスして、家族が「いい関係」で暮らせる、「心地よい住まい」を築いていきたいものです。

効率・利便を追求する家づくりへの疑問。

  • 家づくりを楽しむために -その36
効率・利便を追求する家づくりへの疑問。
「古い家を建て替えて、暮らしやすくなったのですが、前の家のほうが落ち着けたように思います。」とおっしゃる方に出逢いました。
太い柱、梁、軒、土壁、縁側・・・自然素材でできたその住まいには職人たちの技術と工夫、暮らしの知恵がいっぱい詰まっていました。
人の祖先が誕生したのが約400万年前、文明は約5000年・・・長い歴史の中、人は自然の中で、そして、その地の自然素材を使って住まいをつくり、暮らしてきました。そのことにより、「自然素材に囲まれて暮らす」という因子が、私たちの体に組み込まれているのだと思います。現在のような新建材・石油製品でつくられた家が登場して僅か数十年、「落ち着けない」「しっくりとしない」のはそのためではないでしょうか。
工期、手間、価格、効率を追求し、新建材なしでは語れない現在の住まい。今のまま、効率を追求していくのか、私たちが本当にそれを求めているのかを見つめなおすことが必要だと思います。

固定観念にとらわれない、自由な発想で家づくりを。

  • 家づくりを楽しむために -その35
固定観念にとらわれない、自由な発想で家づくりを。
自分の好みやライフスタイルにあうものを選んで、品質や性能をチェックしたり……日々の買い物にはあれだけこだわっているのに、一生のうちで最も大きな投資である「家」には、あまりに無造作な方が多いように思います。
また、「一階にはキッチン・リビング・和室、二階には子供部屋……」 というように、家はこうあるべきだという固定観念にとらわれすぎているように感じる機会も多々あります。
何よりも第一に、自分たちが何を求めているのか、どう暮らしていきたいのかを明確にすることが大切です。
そして、そのために必要なものを選択し、創意工夫を凝らしていく……。目標がはっきりしていれば、迷うことは少ないはずです。
観念にとらわれなければ、家づくりがもっと楽しくなります。
もっと自由に、あなたらしく。時間と情熱を投資し、家づくりを楽しんでいただきたいと思っています。

自然と調和し、協調した住まいを。

  • 家づくりを楽しむために -その34
自然と調和し、協調した住まいを。
ネイティブ・アメリカン(アメリカ・インディアン)の長老は、「山に目を向けなさい。」といいます。山の頂から見渡すように、これから続く何世代も先の者たちのことを考え、広い視野で物事を見るようにと論しています。
環境・人工・食糧問題など、多くの警鐘が発せられている中で、私たちは快適性・利便性を追求しすぎているのではないでしょうか。
たとえば、住宅では冷暖房効率を上げるために、高気密・高断熱にしていることが、かえって木の持つ特性をいかせず、住宅の寿命を縮め、健康にも影響を及ぼしています。少し不便でも、環境の事を考えた、人間の生理にあった住まいづくりが大切だと切実に感じています。
人々が腰を据え、いくつもの警鐘に耳を傾けるのであるなら、現在の技術と受け継がれてきた伝統的な知恵とが結びつき、多くの問題を解決していけると信じています。

「人生の転機、 『家づくり』というチャンスを生かそう。」

  • 家づくりを楽しむために -その33
「人生の転機、 『家づくり』というチャンスを生かそう。」
先日、ある本の一節が目にとまりました。「昔、日本の男たちは住んでいる村の名前で呼ばれていた。清水の次郎長は清水村に住む次郎長だからそう呼ばれ、国定村の忠次も大前田の何とかやらもそうだった。」
なるほど、現在の男たちの肩書きはみんな市役所にお勤めの○○さん、□□会社の○○さんばかり。自縁コミュニティーよりも、職能コミュニティーに偏りすぎている気がします。子供のことも、ご近所のことも、何かと奥さんまかせになりがち。。男性が地域のことに積極的に参加し、自分たちの手で暮らしやすいコミュニティーをつくっていくことが大切です。なかでも、家づくりは、自分たちが暮らすまち、人とのつながり、そして、家族のことを見つめ直す大きなチャンス。 
家の設備や間取りだけでなく、地域のコミュニティーにも目をむける、ゆとりある心を持ちたいものです。

「ふるさと」を輝かせる家づくりを。

  • 家づくりを楽しむために -その32
「ふるさと」を輝かせる家づくりを。
「紀南らしさ」が少ないことに驚くとともに、残念に思う最近の住宅。和歌山は「木の国」とよばれ、木の産地として全国的にも有名でありながら、さみしいかぎりです。
これまで、「自然素材でこの地域に適した家を考えてみませんか。」という提案をしてまいりましたが、それに加え、「木材をはじめとした地元の材料、地元の職人さんやお店を活用した家づくり」が大切だと痛感しています。
わが国は、「木」を大量に海外から調達していますが、私たちにとっても相手国にとっても、現実は決して良いことばかりではないようです。それに「木」はそれぞれの産地独特のカビや虫に対する抵抗力を持ち、気候・風土に適応しているため、地元で使用することが一番良いのです。
住宅を建てるときの選択ひとつで、どんな快適な生活を手に入れられるのかということとともに、地域を衰退させること も、輝かせることもできるということも、しっかりと捉えていたいものです。

新年あけましておめでとうございます。 旧年中は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。

  • 家づくりを楽しむために -2001年始号
新年あけましておめでとうございます。 旧年中は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
心暖まる、心躍る・・・すぐれた建築物には、人の心を打つものがあります。
豊かになった日本。気候・風土に恵まれた紀南。
この地で育まれた文化を建物に、そして『まちづくり』にいかし、心に響く空間創りにスタッフ一同邁進してまいります。

雪月花...四季を愛で、自然ととけあう住まいを。

  • 家づくりを楽しむために -その31
雪月花...四季を愛で、自然ととけあう住まいを。
最近、建築関係法規の改正にともない、ますます住宅の高気密・高断熱化が促進される傾向にあります。しかし、ポリフィルム等で密閉し、大量の断熱材を屋根や壁に充填したうえで、強制給排気設備に頼って生活する、新建材や石油製品だらけの住宅が、実は、自然や人間に大きなリスクをもたらすものだとわかってきました。
「日本で1、2に住みやすい。」といわれるこの地域で、住宅を高気密・高断熱化してまで冷暖房効率に気をつけなければならない日が、年間何日あるのでしょうか。ほんの少しの日のために、そんな家が必要なのでしょうか。 
自然素材でつくる家は特殊なものではありません。むしろここ30年間に建てられた新建材や石油製品だらけの住宅が特殊であると思うのです。軒高は高すぎず、軒の出をしっかり出して、効果的な開口部の計画をし、日当たりと通風に対処する。土塗り壁や板壁等で湿度の調整を心がける… 
私たちの忘れかけている、「先人達が工夫をこらしてきた、この地域の住文化」を見つめなおすことが、今一番必要なことではないでしょうか。