木の家の建築家中村伸吾の建築設計事務所では和歌山の紀州材や自然素材を活かし無垢の材料で木造住宅を造っています。外断熱通気工法・土塗り壁・杉厚板の家などおまかせください
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2階ホール
床は杉厚板化粧仕上げ、壁は珪藻土塗り、天井はJパネルあらわし。もちろん床・壁・天井とも2重に造った通気工法。屋根面をJパネルで構成したのは火打ち梁を省くため。
北側外観
中央は土間の入り口。ご主人の趣味であるトライアスロンの道具やバイクが収納される。
玄関はその奥。(右側)手前(左側)は掃き出し窓に雨戸を閉めた所。

和歌山市の北側に造られた造成地、今も拡大を続けるこの団地の一角に今回の敷地はあります。南、北、西の三方向を道路に囲まれる約70坪の土地に、住まい手が生まれ育ったふるさと「旧中辺路町野中」の山から伐りだした木で「住まい」を創るのです。

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原木
この住まいに使われる木材はすべて住まい手のふるさとの山(旧中辺路町)から伐りだした。
製材品
柱材、板材などは1年以上に渡って桟積み乾燥されたものが多くあった。
食堂より居間を見る
この家の中心空間となる居間。右手は土間、左手は畳間。中央奥には玄関ホール。

北側に駐車場、玄関アプローチ、設備配置スペース等を集め、使い勝手を工夫して南側にとれる限りの空間を残しました。タッパ(建物の高さ)が高すぎる為バランスを崩してしまう最近の建物に対する反省をふまえ、桁高さを4メートルの通し柱で成立するだけのものに納め、建物形状・軒の出とのバランスを含めて抑制のきいた高さの外観作りをしています。

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畳間より居間を見る
右手は4間通しの掃き出し窓、ここから入った風が左手の土間を通って2間の掃き出し窓に抜ける。
蒔ストーブ
この家の暖房器具は蒔ストーブ。
冬場はこれ一つで、吹き抜けを通してつながる1階・2階各部屋のすべての暖房をまかなう。
玄関の飾り棚にある対のシーサー。
ご夫婦で沖縄に旅行されたときにご用意されたもの。
居間より階段方向
階段は実生の松。見ていて楽しくなるくらいの良材だった。

構造は骨太の民家型工法。内部にはもちろん柱や梁をはじめ床板となる杉の厚板などが「あらわし」で見えています。軒先を充分に出して日差しの制御をすること、風の通り道を工夫すること、大きな空間(空気量)を確保して断熱は家全体で考えること・・などの基本に加え、今回建物の大きな特徴は自前の大量の木材で室内に調湿体・蓄熱体を確保できたことです。

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居間の雨戸を閉めたところ
この住まいの雨戸は木製の横格子でスリットになっている。すべて閉めてもご覧の通り風と適度な光は通すように工夫している。夏場は雨戸を閉めて、サッシを開けておくと、夜でも網戸で防犯上の問題なく快適に過ごせる。
台所
厨房機器は使い勝手を優先してコンロ部分とシンク部分をセパレートに制作した。天版の大きさも、高さも使い勝手に応じて変えてある。
シンク側
シンクはステンレス天版、奥行き90センチで洗い物をしていても孤立感のないように居間側を向く。
コンロ側
コンロは壁側を向いてお玉などの調理器具が扱いやすいレイアウト。煮炊き物もこっちの向きの方が安心とのこと。
シンク脇 物入れ
シンクの脇には中央にレンジ棚を持つ収納棚。ここに照明やオーディオのスイッチ類が集中する。

ご主人の趣味の部屋は土間
トライアスロンの選手でもあるご主人のどうしても欲しかった部屋。念願かなって、玄関脇の道路からスロープで直接出入り可能な所に設けた。左の扉を開けると居間とつながっている。

機械の効率に囚われるあまり、気密や部屋単位の断熱に目を奪われ、結局は機械なしでは過ごせない現代住宅で決定的に不足するのがこの調湿・蓄熱の性能です。通常の2倍の木材量を「あらわし」で使用した効果はすばらしく、この冬にはどんなに寒い日も暖房器具なしで室内温度10度を下まわることはなかったと聞いています。

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2階ホール
床は杉厚板2重張り、天井はJパネルあらわし。壁は珪藻土塗り。骨梁より高いところ(棟部三角の所)は風の通路としてあけておく。天窓は明かり取りと熱気の排出に有効。
寝室
軒高を抑えた造りのため2階の個室はロフト風。ベッドは住まい手が工夫して制作された物。
本棚手摺り
手摺り壁は通風と圧迫感を和らげる為本棚などにすることが多い。これが案外有効で皆さんによろこばれている。
浴室
腰壁までタイル貼り、上部と天井は桧板張り。

上棟の日にお祝いにみえたご主人のお父さんが「小学生の時に、亡くなった私の父と一緒に植えたあの木が息子の住まいになる・・時の流れと人のつながりを意識する機会は少ないが、こうして目の当たりにすると少なからず感動する。」そうおっしゃっていたのが印象的でした。

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居間から食堂を見る
食堂テーブルはケヤキの1枚天版。住まい手が山収木材さん(今回木材の面倒をみて頂いた)で見つけた板を新藤工務店でテーブルにこしらえてもらった物。厚みが15センチ程あったので2枚にスライスしてもらった。もう一枚は畳間の座卓になる予定。
   
上棟のお供えを持って
左手が今回工事を担当してくれた新道工務店の社長の新藤さん。中央がご主人、右側が奥様。この時はまだお二人だったが、この住まいの紹介がHPに載る頃には3人になっている予定。

 

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建物名 / 野中の山の木で建つ家
所在 / 和歌山県和歌山市
構造規模 / 木造2階建
主要用途 / 専用住宅
竣工 / 平成17年12月
敷地面積   /    230.25u (69.65坪)
建築面積   /      86.32u (26.11坪)
延床面積  / 130.86u (39.58坪)
1階          /   75.57u (22.86坪)
2階          /   55.29u (16.72坪)
特記事項 / 外断熱通気工法、民家型工法の家
 
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平成18年 夏

私が育ったのは(旧)中辺路町野中。山間部の小さな集落の中にあります。週末になれば、実家のある中辺路町に遊びに帰ってくる。実家は木造の平屋で、木がふんだんに使われ、木の持つ効力もあり、夏は涼しく、冬は暖かい。そんな実家に使われている材料は、先人が育てた木を父が伐り出し、地元の製材所で製材したもので、地元大工の技術によって組み上げられた。つまり、材料・技術力は全て地元産と言えます。その事は、小さい頃から家族に聞かされていました。

実家周辺の山々では多くのスギ・ヒノキが育っていることから、妻と二人で家を建てようと考えたとき『木の家を建てよう。』『紀州材の家を建てよう。』といった特別な意識ではなく、そこにあるスギ・ヒノキを使って、父と同じように地元の技術力によって建てようとごく自然に思いました。 結果、木材は実家の山林より伐り出し、製材は『山収木材』(中辺路町)、設計は『中村伸吾建築設計室』(田辺市)、工務店は『新藤工務店』(田辺市)にてお願いすることになった。
これは自己満足と笑われるかもしれないが、地元産の材料・技術力を使った家づくりをしたことで、結果として、少しは地元の森林や林業を守り、技術を継承していくことにつながったのではないだろうか? 私達が木の家に住みもうすぐ1年が経とうとしています。住んだ感想としては、木をふんだんに使ったことにより、冬は室内温度が10度以下にならず、湿度も55%前後を保ってくれ、実に快適でさわやかな空間をつくりだしてくれている。
設計において、風通しに重点をおいて考えて頂いたことから、今年の夏はエアコンを一度も使うことなく過ごすことが出来た。とにかく涼しい!
風ばかりでなく、人の生活動線もとぎれることのない設計をして頂いたおかげで、使い勝手が非常に良く、家事が楽だと妻は感謝しきりです。
これでは長所ばかりなので短所を上げるとするならば、建具の変化を上げることができる。木はどうしても、その利点でもある調室機能によって伸縮してしまう。よって湿度の高低により建て付けが悪くなることがある。しかし、これも自然素材を使っているからと割り切ってしまえば、特に気にはならないものです。
  
家づくりを振り返ってみると、本当に楽しかった。木材調達では父と山を歩きまわって使用する木材となる樹木を選び、自分たちで伐採・搬出、そして製材所では『木取り』で頭を悩ませ、丸太柱は川砂を使い自分で磨いた。設計では、自分達の思いを中村伸吾氏にぶつけ、大工や建具職人等の方々には様々な技術を見せて頂きました。これらの体験は、私も妻も一生忘れることはないでしょう。
 
最後になりましたが、すばらしい我が家の組み上げに携わってくださった全ての技術者、職人の方々に、この場をお借りして御礼を言わせて頂きたいと思います。
『すばらしい家を、ありがとうございました。』

 
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