和歌山 一級建築士 中村伸吾 木の家 紀州 国産材 木造住宅 民家型工法 古民家再生 自然素材 土塗り壁 杉厚板 外断熱通気工法 エコハウス
木の家の建築家中村伸吾の建築設計事務所では和歌山の紀州材や自然素材を活かし無垢の材料で木造住宅を造っています。外断熱通気工法・土塗り壁・杉厚板の家などおまかせください
中村伸吾建築設計室トップページ中村伸吾建築設計室トップページ建築設計理念作品集今日の現場からコラム活動掲載記事業務内容オフィス概要お問い合せ
作品集INDEX
前の作品集へ
次の作品集へ
かつて近くの山は「里山」と呼ばれた。「里山」が地域の住民と生活や経済活動を通じて密接に結びつくことで、豊かな生態系を維持したように、現在人に持続可能な形で住民と山との繋がりを再構築する必要がある。特に森林率が90%を超え、その内人工林率が70%を超える紀南においては、自然林の保全より、現存する人工林と如何に向き合うかが早急に対応を迫られる課題である。具体的には樹齢40〜50の杉・桧の節あり並材を大量使用する方法を考える必要がある。同時に、シックハウス症候群や低耐久化をはじめとする最近の住宅が抱える問題に対しての対応を考える。キーワードは「地域性」である。

詳細データを見る
ウッディライフ No.107の掲載記事を見る
先人の知恵に学ぶ、地域の気候風土にあった家づくり
(土塗り壁・低く深い軒の出・上下左右につながる開放的な空間構成・風の通り道の確保など…住宅の住環境をパッシブな方向で考え直す)
杉厚板(節あり並材)を大量に使用する(1.2〜1.5m3/坪)
軸組はグリッドにて構成し、間取りに優先する
伐採地での玉切り寸法(3・4・6m)に則った木使いを基本とする
五感で楽しめる構造材あらわしの家
地元職人の技量を基本とした民家型在来軸組構法
Text : 中村 祐子
居間
見事な眺望が広がる南側に大開口、そのままデッキにつながる。大屋根に守られたランマには通風窓。一部2階がのっかる。床は唐松のエンコウ板、天井は杉厚板あらわし。 壁は土塗りの上珪藻土塗り仕上げ。
外観
屋根は切り妻の大屋根。起伏に沿って吹き上げる風を受け流す形。 内部に2層の空間を内包する

この家の眺望には、見る者を圧倒する迫力がある。海側の市街から、川に沿って山側へ向かい、段々畑と序々に深くなる緑の中、細い山道をぐんぐん進んでいく。たどり着く前の最終難関である急な坂を一気に登りきれば、そこで突然、視界が開ける。山並みが一望でき、さえぎるもののない一面の大空と、峰々の雄大な曲線が視界いっぱいに広がっている。敷地は当初みかん畑だったそうだ。みかんの木々が立ち並ぶ中、景色を見下ろしていると、設計者の中村伸吾さんにはこの家のイメージがすぐに浮かび上がってきたという。

このページのトップへ
デッキよりの眺望
目の前に広がる大パノラマ、みかん畑越しに晴れた日には海までが見わたせる。
二階より暖炉を見る
風通しが良く、大きな空気容量を持った室内には、しっかりとした蓄熱体(土壁・木材)と、全体を暖めるにたる暖房器具が必要。薪ストーブはご主人の選択。少し面倒だが大変楽しいという。

この眺望をぜひとも生かしたい。南側のデッキは第一優先で実現された。しかし、見晴らしが良いということは、風にさらされるということだ。ならば、その風と共存していこう。風通しがよく爽やかな家、風に逆らわない在り方…。すんなりと、基本は決まった。

このページのトップへ
 
居間
上下左右、空間は居間を中心に一つとなる。もちろんコミュニケーションの要。基本軸組グリッドを構成する柱や梁が力強く交差する
 
 

住まい手のお話では、新居を建てると決めた当初、ご夫妻は様々な住宅展示場を見て回られた。しかし、友人の新築のお宅へ呼ばれたところ、ご主人がシックハウスを体験され、やはり自然素材の家がいい。ということになったのらしい。そうして最終的にご希望なさったのが、自然とともに豊かに暮らせる家である。もともとは、夫婦2人が暮らす家、ということだったが、打ち合わせ中にお子さんができ、お腹の中の赤ちゃんの成長と、工事の進行という2重の楽しみの中、住まいは形になっていった。

広い居間は、吹き抜けで二階とつながれており、さらに、家中の部屋とつながっている。奥さんは台所で料理をしながら、居間でくつろぐ家族と会話ができる。暖かな木の空間に、旦那さんがこの家の素朴な雰囲気に合うだろうと購入されたソファーが据えられ、家族みんなが薪ストーブの前に集ってだんらんする楽しげな空間ができあがった。

このページのトップへ
畳間
ここはご主人の書斎。奥は寝室。
居間と畳間を隔てるのは壁も建具も木製の目透かし板 。

その居間と畳間とを仕切る引き戸がある。この引き戸には「すかし」が入っており、引き戸の向こう側を垣間見ることができる。家のいろいろな箇所に、このような工夫がされた。階段も涼しげなシースルーになっているし、吹き抜けを囲う手すりも同じく。結果、風が無理なく通り抜ける家が実現した。この開放的な空間にいると、子供の頃に帰ったような気持ちになってくる。胸の底からわくわくするような…、そして爽やかな気分になる。

このページのトップへ
2階ホール
2階は大屋根の屋根裏空間にある。屋根仕様は杉厚板( t=39 )の上通気層、野地板桧( t=12 )木製インシュレーションボードの上ゴムアスシート、仕上げはガルバリウム鋼版瓦棒葺き。手すりは本棚となる。
2階板間
ここは子供たちのスペースとなる。成長や人数に合わせて、いかようにも変化する可変空間。当分は大広間。高さもいろいろ。「あらわしの梁にブランコを吊ればいいのに。」という意見が一番多い。

住まい手は、木の足触りがとてもお気に召したようで、「床に座り込んで作業をしていても全然冷たく無いんですよ。足触りも良くって」と、スリッパを脱いだ足で、唐松の床の上をペタペタとやりながら話してくれたことがある。寒い日にも冷えることなく、蒸し暑い日にもさらっと快適だとのこと。木の床は人に優しい。家の完成と時期を同じくして生まれたお子さんも、この床の上ですくすくと成長されることを願う。

みかん畑に包まれた穏やかで豊かな住まいのなかで、ご一家が健やかで楽しい毎日を満喫してくだされば良いと思った。

このページのトップへ
みかん畑から見る
元はみかん畑。必要最小限だけの樹を除き、敷地の形状にはなるべく手を付けないようにして今回建物を計画した。傾斜が丁度良い展望デッキの高さとなった。
このページのトップへ
 
建物名 / みかん畑の家
所在 / 和歌山県田辺市長野
構造規模 / 木造2階建
主要用途 / 専用住宅
竣工 / 平成15年10月
建築面積 / 362.99u (109.81坪)
敷地面積 / 150.60u (45.55坪)
延床面積 / 188.73u (57.09坪)
1階 / 110.59u (33.45坪)
2階 / 78.14u (23.63坪)
地域・地区 / 都市計画区域外・防火指定無し
主な外部仕上 /
屋根
ガルバリウム鋼板瓦棒葺き(杉厚板t=39下地 外断熱通気工法)
東西面:無塗装サイディング゙ t=12の上弾性リシン吹付仕上 南北面:杉板 t=12下見板張りの上、リボスカルテッド゙塗仕上(土塗り壁下地 外断熱通気工法)
その他
ポーチ / 300角タイル貼り、金錆花崗岩積み(割肌コブ出し仕上)
主な内部仕上 /
玄関 / 300角タイル貼り、居間・食堂,台所,板間,洗面,脱衣,便所 / 杉厚板 t=39下地 唐松縁甲板張り t=15、畳間 / 杉厚板 t=39下地 畳敷き

玄関,居間・食堂,台所,板間,畳間 / 土塗壁又はラスボ-ド t=7下地 珪藻土塗、洗面,脱衣,便所 / 内法まで 桧小巾板張り t=12 上部ラスボード t=7下地 珪藻土塗

天井

玄関,居間・食堂,台所,板間,畳間 / 2階床板化粧顕わし 吹抜部 杉化粧野地板顕わし、洗面,脱衣,便所 / 杉板 t=12張り、2階板間 / 杉化粧野地板顕わしし

その他
外部建具 / アルミサッシ(一部木製) 硝子は全てペア硝子、内部木製建具 / 桧杉製框戸又はシナ合板フラッシュ開口部廻り造作材(枠、額縁等) / 桧
特記事項 / 民家型構法の家(木の国の家仕様)
 
このページのトップへ
 
紀州材を使った木の家、木造住宅、在来工法、民家型工法、地域密着型(和歌山県)、外断熱通気工法の住宅設計|一級建築士事務所 中村伸吾建築設計室
和歌山県田辺市新万29-24  Tel. 0739-24-3824

中村伸吾建築設計室へのお問い合せ
和歌山 一級建築士 中村伸吾 木の家 紀州 国産材 木造住宅 民家型工法 古民家再生 自然素材 土塗り壁 杉厚板 外断熱通気工法 エコハウス
紀州材を使った木の家、木造住宅、在来工法、民家型工法、地域密着型(和歌山県)、外断熱通気工法の住宅設計|一級建築士事務所 中村伸吾建築設計室