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大切にしていること
Concept

建物は地域の文化、伝統、風土といったものと切り離して考えることはできません。
私たちは、目先の利便性や合理性、あてがわれた価値観などにとらわれることなく、
「いかに気持ちよく、その人らしく、その土地らしくあるか」を大切にしています。

その人らしい想いをカタチに

定説や人からの評価に一喜一憂する必要はありません。「普通はこう」という一般的な形から大きく離れていても、その人らしい想いをカタチにすることが大切です。
住まいづくりは、そこで過ごす人々の幸せを、住まい手と私たちでカタチにしていく作業です。そのためには、打ち合わせを重ねる中で住まい手自身も考え、積極的に住まいづくりに参加する姿勢が不可欠です。

その土地の素材を活用する

元来、住まいは各地方で自然発生的に生まれました。その土地でとれる材料を使用し、その土地の風土に応じた建物を、その土地の状況を知る人達が建て、建物の中にあるその土地らしさこそが、住まいやすさや快適さを担保するものでした。和歌山県においては、日本でも有数の良質な木材である紀州材が代表的な素材といえるでしょう。
その土地にゆかりの深い素材を使用することで、建物はよりその土地らしく、その土地の風景の一部となると考え、ご提案しています。

自然素材に囲まれた、素材感のある空間

私たちは、使用する素材はできるだけ自然のものが良いと思っています。特に内装材は、木や土、紙、石といった自然の風合いが残る材料を採用することが多いです。
石のゴツゴツ感。珪藻土のザラザラ感。カンナをかけた木材のスベスベ感。自然素材には、人が長い時間をかけて慣れ親しんできた手触りや質感があります。均質な空間よりも、様々な素材の手触りや質感に触れることができる空間こそ人にとって豊かな空間であると思い、設計しています。

安全で、安心できる空間

木、土、紙、石などの自然素材の良いところは、その見た目や質感だけではありません。自然の素材を多く採用することで、時が経つにつれて味わいが増す建物になりますし、何より人にとって安全で、安心して過ごせるような空間をつくることができます。
私たちの原風景を形づくる材料が、健やかで、豊かな空間を提供してくれます。

その素材らしい使い方

色や香り、優れた調湿性や断熱性、自身の巨体を長い年月折れずに支えてきた繊維の粘りなど、「木」には様々な魅力があります。木で建てるならば、木という素材ならではの使い方があるはずです。同様に土、紙、石、ガラス、鉄、コンクリートなど、すべての素材について、それぞれの特性や持ち味を活かした適材適所の使い方を考えています。

木の特性を生かした木組み

木の特性を活かし、伝統的な仕口や継手を用いて組み上げられた木組みは、日本の気候風土に馴染んだ構法といえます。木組みでつくられた建物は、組立や解体が容易であるため、移築や増築、部材の再利用などにも柔軟に対応できます。
私たちはこの木組みの技術を継承し、世代ごとに手直しをしながら、後世へと継承していける住まいをご提供します。

周囲の自然を建物に取り込む

建物が建つ土地特有の自然環境を観察し、建物に最大限活かせるよう日々心がけています。
機械依存の過剰な設備に頼ることなく、自然の光や風を建物に取り入れながら、日々の暮らしの中で四季の変化や通り抜ける風の心地よさ、陽の光の移ろいを感じられるような季節感豊かな空間をご提案しています。

時が紡ぐ価値を受け継ぐ

時を経て永く使い継いでいくことができる建物となるよう、新築時には、構造検討を行った上で、太く、しっかりとした木組みを構成することが大切です。古民家改修などの場合にも、元来の木組みを生かしながら現代の暮らしの価値観にあわせて新たな技術や材料を活用することで、既存建物の価値を再発見し、時が紡ぐ価値を受け継ぐことのできる建物となるよう配慮しています。